構築の経緯、デッキコンセプト
昨日の記事→
Cinderella Versusデッキ記事【ウサミンランプ軸コントロール】では「さなきらり速攻にない安定感を持ったデッキを作る」というコンセプトでデッキ構築を進めていました。
ウサミン奏構築では安定感は出せるものの、最大アピール値の合計が55とそこまで高くなく、安定してSS~SSSを取ることは難しいのが欠点でした。そこで、「さなきらりの爆発力を保ったまま、安定して勝ちを拾えるデッキを作ることは可能か?」を追求したのが当デッキです。
当デッキでは「4ターン目までに特訓きらりを決める」ことを最大の目標にしています。SSSを取るにはスコア2400以上が必要ですが、4ターン目に勝利すればターンボーナス950点を得られるのに対し、5ターン目では600点と大幅に下がってしまいます。
3ターン目にきらりを降臨させ3000点を取るデッキについては多くの人が触れているでしょうからここでは述べませんが、紗南を2ターン目に出すことにこだわり過ぎなければ安定を拾うことは可能です。
前提:【安定さなきらり】について
さなきらりの方法は「《三好紗南》にバフをかけて通す」「《三好紗南》を4枠目に置いて通す」の2通りがあると思いますが、当デッキでは後者を採用しています。後者のメリットとしては、相手も加速デッキを使ってきた時以外は概ね2ターン目に4枠目を開けてくることは多くないので、安定して《三好紗南》を発動できることにあります。また、バフ合戦に陥ることがないため【VelvetRose軸グロウビート】に対しても強く出られるのが強みです。
1ターン目に《小関麗奈》はじめPP+7できるアイドルとコスト1ウィニーを並べ、2ターン目に4枠目を開放し《三好紗南》を置いて不戦勝させます。2ターン目にどうしても《三好紗南》が引けなかった場合はさらにPPを貯めて次に備え、3ターン目に5枠目を開けて《三好紗南》を通します。
さなきらりデッキの弱点は大きく分けて2つあります。古来からよく語られているところの「
前門のアグロPa、後門の手札事故」というやつです。
【アグロPa】は《大槻唯》《姫川友紀》《上田鈴帆》《片桐早苗》《堀裕子》《日野茜》といった豊富なウィニーを序盤から展開してエモゲージ有利の維持・相手の勝利時効果の封殺を行いつつ、特訓による強化や[ポジティブパッション][セクシーギルティ][チアフルボンバーズ]のトリオユニットによる強化、《本田未央》のバフや《高森藍子》《及川雫》のエモブーストにより先行逃げ切りを図る強力なデッキです。【さなきらり】の相性は最悪の一言で、始動に必要な勝利時PPブーストを潰されるためよほど運良くPP+7を刺せない場合はうまく行動できません。また、最初のターンにPP+7を刺せたとしても、【アグロPa】では2ターン目に4枠目を開けることも容易なため、肝心の《三好紗南》が通らない事態になりえます。
また、さなきらりはどうしても《三好紗南》という大エースに頼った構築のため、手札事故に非常に弱いです。単純計算で、1発で《三好紗南》を引ける可能性は1/4であり、マリガンを繰り返すうちにPP切れ、なんてこともありえます。
さて、これらの弱点を踏まえた上でデッキ紹介に移ります。
デッキレシピ
・1コス 10枚
《輿水幸子》 Cu 0/2 PP+2
《緒方智絵里》 Cu 0/2 PP+2
《櫻井桃華》 Cu 1/3 勝利時PP+4
《双葉杏》 Cu 0/2 相手アピ-99
《成宮由愛》 Co 0/2 PP+2
《松尾千鶴》 Co 0/2 双方PP+3
《浅利七海》 Co 1/3 勝利時PP+4
《衛藤美紗希》 Pa 0/2 PP+2
《土屋亜子》 Pa 0/2 双方PP+3
《依田芳乃》 Pa 3/5 PP+1
・3コス 4枚
《月宮雅》 Cu 3/8 勝利時PP+7
《和久井留美》 Co 3/8 勝利時PP+7
《小関麗奈》 Pa 3/8 勝利時PP+7
《相馬夏美》 Pa 3/8 勝利時PP+7
・4コス 3枚
《辻野あかり》 Cu 0/7 エモ負けているならアピ+20
《池袋晶葉》 Cu 0/7 次アピ+10
《十時愛梨》 Pa 0/7 次アピ+10
・8コス 1枚
《ヘレン》 Co 1/15 Round終了時、エモ負けているなら基礎アピ+33
・10コス 2枚
《諸星きらり》 Pa 5/50 5番手ならアピ+40
《三好紗南》Pa 0/10 勝利時PP+37
各カード解説
・《諸星きらり》《三好紗南》
説明不要の黄金コンビ。
・《月宮雅》系列
初手になるべく持っておきたいカード。1-1-3の形が組めれば最高。
・《輿水幸子》系列
上記との組み合わせで。安定感があり、非常に使いやすい。
・《松尾千鶴》《土屋亜子》
PP+3と《三好紗南》をかなり通しやすくなるが、相手にもアドバンテージを与えてしまうため4枠目を開けられやすく、注意が必要。
・《櫻井桃華》《浅利七海》
コス1枠の穴埋め、兼、PP+7が来なかった時用のサブプラン。
・《依田芳乃》
コス1枠穴埋め。人選は好みで。
・《池袋晶葉》《十時愛梨》
「後門の手札事故」に対する回答。《三好紗南》がマリガンで引けなかった際、代わりにこれらを入れて「PP+7、PP+7、バフ、コス1」の組み合わせを作り、合計PP+14を通す。そして3ターン目に5枠目を開け、《三好紗南》を全力で通す。採用枚数はデッキ全体の重さを考慮して2枚に抑えています。
・《ヘレン》
「前門のアグロPa」に対する回答にして、当デッキ最大のびっくりギミック。
アグロPa相手にさなきらりを通してSSSを狙うのはどだい無理筋なので、「逆にSSSを諦めて、少しでも相手を殴る方向にシフトできないか」と考えた末の結論。
【スーサイドヘレン】などヘレンを軸としたデッキであれば、相手のエモゲージを上回らないための工夫が必要だが、対【アグロPa】であれば相手が自分からのこのこエモゲージを稼いでくれるため特別なギミックがいらないという仕掛け。
流れとしては、まず1ターン目に相手が【アグロPa】だとわかった瞬間【さなきらり】を捨て、2ターン目に《ヘレン》を全力で探しパワー35のファッティを作り上げる。後はバフ組や《辻野あかり》と合わせて可及的速やかに相手を殴り倒す。4ターン目に特訓ができる流れならSSSすら狙える。
・《辻野あかり》
【さなきらり】と【ヘレン】どちらでもサブフィニッシャーになれる優秀なカード。
通常の【さなきらり】であればダークイルミネイトやしゅがはが殴り要因として採用されることが多いが、当デッキでは1枠で爆発的な火力が得られるこのカードを採用した。
《諸星きらり》でフィニッシュするターン、相手にエモゲージが負けている場合はこのカードを挟むことでスコアが稼ぎやすくなり、逆に勝っている場合はそもそもこのカードが無くても容易にSSSを取れる・・・という仕組み。
また、【ヘレン】としての運用を行う場合でも、基礎アピ+33が行われたターンの直後に挟むことで火力の底上げを図ることができるため優秀。そのターンで決めきれれば良し、次ターンにもつれ込むようなら戻して《ヘレン》特訓用のコストに回してもよし。
弱点
・【BRIGHT:LIGHTS】というか《鷺沢文香》
PP+3できる上、特訓後は単体で11打点が出せる強力な子。2ターン目に、こちらは「4枠目を開けるor《三好紗南》にバフを乗せる」、相手は「4枠目を開けるor《鷺沢文香》を特訓する」の択ゲーになってしまう。特にこちらが《松尾千鶴》とか使った場合は相手に潤沢なPPを与えてしまうためかなり厳しい。初手に《鷺沢文香》が見えた場合は、手札事故時に準じて対応し3ターン目に望みを託すのもありかもしれません。
・【アグロPa】+特技Pa限定曲
お願い シンデクレ 夢は夢であってくれ
おわりに
ここまで書いてきましたが、正直【さなきらり】にはさらなる可能性がある気がしています。【4枠目型さなきらり】ではなく【バフ型さなきらり】の場合はアグロPaに対してどのような回答が可能なのか、またその場合の新たな弱点は何か、などが研究の余地としては残されているでしょうか。